仮想通貨ウォレットから資金が抜かれる原因とその対策【初心者向け】

・シードフレーズの流出による被害

※メタマスクではシークレットリカバリーフレーズをコピーする前にこのような警告が出ます。

1. シードフレーズ(SeedPhrase)とは

仮想通貨ウォレットを復元(引き継ぎ)するための、12~24個の単語の並びです。これさえあれば、誰でもそのウォレット内の全資金にアクセスできます。

このシードフレーズはメタマスクやコインベースウォレット、Phantomなどの個人ウォレットを作成するときに、最初に生成されるものです。

銀行口座の「暗証番号+キャッシュカード」が一体化した“魔法の鍵”。この鍵を知っていれば、誰でもあなたの口座から自由にお金を引き出せます。


2. 主な流出原因

  • メール・クラウド・メモ帳などに保存し、ハッキングされる
  • フィッシングサイトに入力してしまう
  • スマホでスクリーンショットを保存してしまう

自宅の金庫の鍵を机の上に放置したり、鍵の写真をSNSに投稿したりするようなものです。見つかったら終わり。


3. 対策

  • 紙に書いて、金庫などオフラインで保管
  • 複数箇所に分けて保存すると安心
  • 絶対に誰にも教えない

大事な実印や通帳はタンスにしまうように、シードフレーズも「ネットから切り離された場所」にしまいましょう。


・ハッキング(ソフトウェアやマルウェアによる攻撃)

1. マルウェア・キーロガーとは

怪しいファイルやサイトから入ってくるウイルス。あなたのパソコンやスマホの操作(キーボード入力など)を盗み見します。全く知らない第三者からのメールやDMは絶対に開かないようにしましょう。

これは誰かがあなたの家にこっそりカメラをつけて、金庫の暗証番号を盗み見ている状態です。


2. 偽物のウォレットアプリ・拡張機能

見た目は本物そっくりな偽アプリをインストールまたはアクセスさせて、そこから情報を盗みます。

偽の悪意のある仮想通貨ウォレットがAppStoreに表示され被害がでたという事案、インタニューなどと称してアプリやファイルをインストールさせハッキングされる被害がありました。

画像は世界で最も有名なNFTマーケットの一つであるOpenSeaのCEOのポストで、OpenSeaのユーザーが偽サイトの悪意のある署名にサインしてNFTを盗まれたといっています。

見た目は本物のATMだけど、実は詐欺グループが設置した偽物だった、という感じ。

3. 対策

  • 公式サイトからしかダウンロードしない
  • ウイルス対策ソフトを使う
  • OSやアプリを常にアップデートしておく

スマホアプリも食材と同じ。「パッと見おいしそう」ではなく「信頼できる店で買う」ことが大事です。


・偽サポートやフィッシング詐欺

1. 偽のサポートにだまされるケースや SNSやDMでの詐欺

「あなたの資産が危険です!」と不安をあおり、シードフレーズを聞き出す手口です。大手取引所の公式を装う場合も。

一番多いのが、X上でメタマスクという単語がポストに入ってるとサポートを名乗るアカウントから大量のリプライが来て、サポートを受けるにはアドレスとシードフレーズを教えてと言われることがあります。もちろんすべてが詐欺です。

また、海外プロジェクトのDiscordで質問すると現れる偽の運営にも注意が必要です。プロジェクトの人間がDMをすることはなく、通常はチャンネル内でチケットを貰いサーバー上でやり取りをします。

銀行員を名乗る人から電話が来て、「口座が乗っ取られました。暗証番号を教えてください」と言われるのと同じです。

2. 対策

  • シードフレーズは絶対に誰にも教えない
  • 正規のサポートがフレーズを聞くことは絶対にない
  • DMでの助け舟は基本スルー or ブロック

必ず公式アカウントの情報と言動のみを信じることが大切です

本物の銀行が「暗証番号を教えてください」なんて絶対に言わないように、ウォレット運営側も聞きません。


・ここまでの対策のまとめとすぐにやった方が良いプラスの対策

Warning
  • 資金の操作権利が他人に移らないようにシードフレーズは絶対に第三者に漏らさない
  • ウイルスや悪意のあるコードが仕組まれたファイルを入れないため、Google chrome拡張機能やアプリをむやみにインストールしない
  • 運営と名乗り近づく人間をまずは疑って、不安なら公式サイトや公式SNSで問い合わせる
  • 公式サイトはGoogle検索せず、Xの公式アカウントのプロフィールから入る

また、恐ろしいことに仮想通貨プロジェクト自体がハッキングを受けることがあります。

私も一回引っ掛かりそうになりました。サイトに入っていつも通りのことをしようとしたら資金を送金する署名が出てきたので何かおかしいぞと思い、コミュニティを覗いてみたらハッキングされているのでいかなるリンクも踏むなと警告されていました。

このように公式までハックされていて、どうしても気づかなかったときのためできる対策を考える必要があります。盗まれていい資産を最小限にするしかなく、以下の対策が可能です。

対策
  • ウォレットを分散、日常的に使うウォレットをある程度資金を入れるものとで切り離す。
  • 顧客の投資資金が分別管理されている国内の仮想通貨取引所に移したり、Trezorなどのハードウェアウォレットに資金をいれる
  • 為替差益を狙っているわけでもなく、USDTやUSDCで資金を保持しようとしている人は使っていない分をハードウェアウォレットや国内の取引所へ移しておく
[セキュリティ強化]Trezor(トレザー)ウォレットの対応通貨は?買い方は?

※PRを含みます ▼Trezorウォレットまとめ ✅1. 2014年に登場したこの暗号資産ハードウォレット Trezorは10年経った今でも世界中の人が利用しており、オフライン管理…

・[PC対策ツール]Pocket Universeによるトランザクション安全確認

1. トランザクション確認の落とし穴

ウォレットの操作画面では「Approve」や「Sign」など難しい単語で表示され、何が起きるのか分かりにくいです。大体の人はよく確認せずにサインしてると思います。

「ここにサインして」と言われて契約書に署名したら、実は家を売る契約だった…みたいなことが起こりえます。

2. Pocket Universeとは

ブラウザ拡張機能で、トランザクションの中身を分かりやすく可視化して、危険な操作を事前に教えてくれます。

小難しい契約書を「これは家を売る契約です!」と大きく赤字で注釈してくれる弁護士のような存在です。

3. 導入方法とメリット

  • Chrome拡張機能として無料で利用可能
  • MetaMaskなどと連携して、自動で確認してくれる
  • 危険なときは、赤い警告でストップをかけてくれる

自動車の「衝突防止ブレーキ」のように、危ない操作のときに止めてくれる安心機能です。


・[対策ツール]VPNによる通信の暗号化と保護

VPNとはネット通信を暗号化して、外部からの盗聴や追跡を防ぐツールです。
第三者からの盗み見やハッキングを防ぎ、公共Wi-Fiでも安全に仮想通貨を扱えるようになります。

仮想通貨取引におすすめなVPN3選 セキュリティ強化に

※この記事はアフィリエイトリンクを含みます この記事ではセキュリティに関心のあるトレーダー向けにVPNを3つ紹介しています。 紹介しているものは通信の跡をサーバーに…

上記の記事にも貼ってあるおすすめVPN3社比較表を載せておきます。

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VPN/項目【返金保証】【契約期間/料金】【使える国数】【同時接続数】【対応デバイス】【ノーログポリシー】【個人的感想】
ExpressVPN30日間の返金保証・1か月/$12.95
・2年/$4.99(月)
・1年/$6.67(月)
105か国1つのサブスクリプションで、最大8台のデバイス・PC: Windows、macOS、Linux

・モバイル: iOS(iPhone、iPad)、Android ストリーミングデバイスおよびスマートテレビ: Apple TV、Amazon Fire TV Stick、Samsung

・スマートTV ゲーム機: PlayStation、Xbox

・ ブラウザ拡張機能: Chrome、Firefox、Edge
ユーザーの接続やオンライン活動に関するログを一切記録なし中長期の海外滞在者向け。料金プランがシンプルで分かりやすい。
【NordVPN.com】30日間の返金保証・1か月/690円
・1年/550円(月)~
・2年/430円(月)~
世界に7,400台以上のサーバー、
  日本国内には130台以上
 1つのNordVPNアカウントで、最大10台のデバイスを同時に接続可能。

  さらに、ルーターにNordVPNを設定することで、ルーターに接続されたすべてのデバイスを保護することができます。 
・PC: Windows、macOS、Linux

・モバイル: iOS(iPhone、iPad)、Android

・ブラウザ拡張機能: Chrome、Firefox、Edge

・その他: ルーター、スマートテレビ、ゲーム機など
ユーザーのオンライン活動を記録しない厳格なノーログポリシーを採用
こちらも中長期の海外滞在者向け。プランによって情報漏洩スキャナー付きのパスワード保管アプリ、マルウェア対策機能も付きます。
MillenVPN
※日本企業が運営
2年・1年プランのみ30日間の返金保証・7日/638円
・15日/1,078円
・30日/1,738円
・1年/594円(月)
・2年/396円(月)
137か国、サーバーは2,000台以上デバイス接続数は無制限Windows、MacOS、Android、IOS、Amazonデバイスに対応通信内容、使用状況を追跡しない
最短1週間のプランが用意されている上接続デバイス数が無制限なので最高のコスパ

・[対策]パソコンを使い分けてリスクを分散する

そもそも使うパソコンを仮想通貨用と普段使い用などで以下のように分けておくと、マルウェアやウイルス感染のリスクを大きく減らせて安心です。

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パソコンA(普段用)パソコンB(仮想通貨専用)
YouTubeやSNSの閲覧MetaMaskや取引所のみ使用
メールや文書作業ウォレットの操作、送金
ゲーム・アプリのインストール一切の追加ソフトなし

ASUSのChrome Bookのような手軽に買えるもので十分です

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