【デイトレコラム】FX・CFD・先物の違いと税率の違い、FXで借金を負ってしまうのはどんな時?

この記事を読み終わると得られること

  • CFDとFX、先物の違いの知識
  • CFDやFXで利益を得る仕組みやリスクの種類・リスク回避の例
  • FXで借金を負ってしまうイメージや仕組み

▼ CFDとFX・先物の違いを整理

① CFDとFXの位置づけ

CFD(Contract For Difference, 差金決済取引)は、実際の資産を保有せずに売買差益だけをやり取りする仕組みです。現物の株券や通貨を受け渡すことはなく、反対売買を行った時点で損益が確定します。

FX(Foreign Exchange, 外国為替証拠金取引)もこのCFDの一種であり、為替レートの変動を利用して利益を狙う取引です。したがって「CFDとFXは別物」ではなく、「FXはCFDの一部」という位置づけになります。

例を挙げると、A社の株を100株現物で持っている場合、株価が上昇すればその分だけ利益が得られます。一方、CFD取引であれば現物を買わず、100株分に相当する証拠金を担保として同じ利益を得られます。

さらに、レバレッジ10倍を使えば、10株分の資金で100株分の値動きを取引できるため、効率的に資金を活用できるのが大きな特徴です。

② 利益を得る仕組みは同じ

CFDでも現物取引でも、「買い」ポジションを持って価格が上がれば利益になります。違うのは、CFDでは「売り(ショート)」から取引を始めることができる点です。

たとえば、現物株を保有している場合、②から③の下落局面では利益が減ってしまいます。しかし、CFD取引であれば②で「ショート」ポジションを建て、③で買い戻すことで下落幅をそのまま利益に変えられます。

この「上昇相場でも下落相場でも利益を狙える」という仕組みこそ、CFDが現物取引と大きく異なる点です。


③ 先物との違い

先物取引はあらかじめ決められた期限(限月)があり、その日が来ると必ず決済が必要です。ポジションを継続したい場合はロールオーバー(新しい限月の先物を建て直す)が必要になります。

一方、CFD取引には限月がなく、自分の好きなタイミングまでポジションを保有できます。そのため、中長期のスイングトレードにも適しており、現物取引よりも柔軟な戦略をとることができます。

ただし注意点として、以下のコストがかかる場合があります。

  • FX(外国為替CFD):各国の政策金利差を反映したスワップポイント
  • 暗号資産(無期限先物 / Perpetual):ポジションバランスを取るためのFunding Rate
  • 商品CFD(原油や金など):オーバーナイト金利や保有コスト

こうしたコストによって、値幅以外でも損益が変動する点は理解しておく必要があります。

・まとめ

  • 現物取引は「上昇相場でしか利益が得られない」
  • CFD取引は「上昇(ロング)・下落(ショート)の両方で利益が狙える」
  • 先物取引には限月があるが、CFD取引には限月がなく柔軟に保有できる
  • ただし、スワップポイントやFunding Rateといったコストが発生する点に注意

つまりCFDは、現物や先物の良いところを取り入れつつ、より自由度の高い資金運用を可能にする仕組みだと言えます。

▼ CFDにはどのようなリスクが存在するのか

① まず借金や破産に至るケースは稀

CFD取引において「借金して破産する」という話を耳にすることがありますが、実際にはかなり稀なケースです。そのプロセスは以下のように進みます。

  1. 証拠金維持率が100%を下回る
  2. 証券会社から追加証拠金(追証)の入金を求められる
  3. 資金を追加できないまま損失が拡大、強制ロスカットの水準へと低下
  4. 相場急変(為替介入やFOMCなど)や流動性の低下によって、ロスカット水準を通り越して約定
  5. 想定以上の損失を被り、後日追加の支払いを迫られる

証拠金維持率とは、口座内資産の評価額を証拠金で割って算出する指標です。100%を切るとアラートが届き、追加の入金が必要になります。これが「追証」であり、借金そのものではありません。

あまりにも巨大なポジションをもって維持率が100%未満になり、100%までの不足金額を支払う時に支払えなくなる人が消費者金融などで借金をしてしまうイメージです。

② 心理的なリスク

CFDはメンタル面での失敗リスクも大きい取引です。代表的な例を3つ挙げます。

  • 感覚頼りのトレード
     経験豊富なトレーダーでない限り、「完全感覚」でポジションを取るのは危険です。
  • お酒を飲んだ状態での取引
     判断力が鈍り、損切りの遅れや無謀なナンピンにつながります。
  • 損失を取り返そうと躍起になる
     冷静さを失うと判断が雑になり、さらなる損失を招きやすくなります。

私自身もこれらを経験し、短時間で大きな損失を出したことがあります。心理的なリスクを減らすには、ルールを明文化し、厳格に守ることが重要です。

③ 元本以上の損失リスク

現物取引(株式や暗号資産)は最大でも価値が0に近づくだけですが、CFDは証拠金取引であるため、値幅 × ポジション数によって損益が決まります。その結果、証拠金を超える損失が出る可能性もあります。もっとも、実際にそこまで追い込まれるのは稀です。しかし、日頃から損切りラインやエントリールールを設定しておくことが不可欠です。

④ 損失リスクを抑える工夫

リスクを最小化するには、以下のような方法が有効です。

  • 自分で引いた水平線やトレンドラインを根拠に待つ
  • 「頭と尻尾はくれてやる」の精神で利益を追いすぎない
  • インジケーターを長期間使い込み、自分のスタイルに合うものを確立する

こうしたルールを守ることで、大きな損失を防げる確率は高まります。

まとめ、関連記事の紹介

CFDは大きなチャンスを得られる反面、借金リスクや心理的な落とし穴、元本超過の損失リスクが存在します。ただし、冷静にルールを守り、損切りを徹底することで、多くのリスクを最小限にできます。

FX取引をこれから始める際は最小のロットで、小額から始めてみるとリスクも最小限に抑えられて始めやすいです。

▼ CFD取引にかかる税金(暗号資産か、それ以外かで区分が異なる)

① 暗号資産CFDの場合

ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など暗号資産をレバレッジ取引する 暗号資産CFD は、
「雑所得(総合課税)」 に区分されます。

  • 給与所得者の場合:年間20万円を超える雑所得があると確定申告が必要
  • 扶養の判定:控除後の所得が48万円以上になると扶養から外れる可能性あり
  • 税率は総合課税のため、他の所得と合算して累進課税(5%〜45%)が適用

家族の扶養や所得の合計状況によっても変わるため、詳細は 国税庁の公式ページ を要確認!

② 暗号資産以外のCFD(FX・株価指数・コモディティなど)

外国為替FXや株価指数(日経225、NASDAQなど)、原油・金・天然ガスといったコモディティCFDは、「申告分離課税」 に区分されます。

  • 税率は一律 20.315%
    • 所得税:15%
    • 住民税:5%
    • 復興特別所得税:0.315%
  • 他の先物取引やFXと損益通算が可能
公式情報

・国税庁:No.1523 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1523.ht

・国税庁:No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1522.htm

▼ CFD・FXのまとめ

CFDやFXは、現物取引や先物取引と比べて「資金効率の高さ」「売りから入れる柔軟性」「限月のない自由度」といった大きなメリットを持っています。現物取引では価格が上昇しなければ利益を得られませんが、CFDなら下落局面でもショートを仕掛けて利益を狙うことができ、どんな相場環境でも戦略を立てやすいのが特徴です。また、レバレッジを利用すれば少ない資金でも大きなポジションを取れるため、資産運用の効率性は現物よりも圧倒的に高まります。

さらに、先物取引のように「限月」という縛りがないため、短期のデイトレードから中長期のスイングトレードまで、自分のスタイルに合わせて柔軟にポジションを維持できます。一方で、スワップポイントやFunding Rateといったコストが発生する点や、証拠金を超える損失が生じるリスクは無視できません。過度なレバレッジや感情的な取引を避け、損切りルールや資金管理を徹底することが、CFDを安全かつ有利に活用するための必須条件となります。

つまりCFDは、現物取引の「シンプルさ」と先物取引の「レバレッジ性」を掛け合わせた存在であり、上昇相場でも下落相場でも収益機会をつかめる、極めて自由度の高い金融商品だといえます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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